基礎知識編〜炭火焼風味って何だ?
<基礎知識編> 公開日:2018年9月25日
炭火焼風味って何だ?
ちまたにあふれる加工食品の中には”炭火焼風味”などと表記された食品を見かけることがあります。
そんな食品を食べて”炭火焼フレーバー”を味覚にインプットされてしまうと、炭火焼でBBQを楽しんでいる時に”あれ?炭火焼風味がしない!”なんて感じる方がいらっしゃいます。
そんな方に、炭火焼風味の誤解を解いて頂きたく、今回はこのテーマについて解説します。
そもそも木炭の場合、炭自体に匂いは無いのが基本で、そこから発する匂いもありません。
炭は脱臭炭にもなるくらい、匂いや湿気を吸い取る力はありますが、逆に炭火自体から匂いが発生することはありません。したがって原則的には炭火によって食材に風味が添加されることはありませんので、誤解を解いてくださいね。
但し、次の場合、炭火から匂いが発生する場合があります。
・一部の木炭は焼きが甘く、完全に炭化されていないことがあり、その場合は木材本来の匂いが残っている場合があります。
・有臭の着火材を使用した場合は、着火材が完全に燃焼するまでは匂いが発生することがあります。
・木炭自体を密閉せずに放置しておいた場合は、その場所の匂いを吸着している場合があります。
・生産工程の包装段階での付着、または流通段階での付着
いずれにしましても、本来の木炭にはない匂いなのです。
では炭火焼風味とは一体どんな風味なのでしょう?
それは、以下によって添加される匂いです。
①食材を焼いた時に食材やタレなどから落ちる脂分や水分が燃えて上がった煙の匂いが付着する
②炭火から上がった炎が食材に当たり、食材の一部を焦がした
となります。
この辺りをコントロールする技術を身に付けるにはかなりの熟練が必要ですが、食材に合わせて技を使えば、最高の”調味”にもなるのです。
では、加工食品などにある炭火焼風味とは何かというと、ズバリ”焦げ風味”で、かなり誇張された風味の添加がなされています。
しかしながら、炭火焼=焦げ、ということでは決してありません。炭火焼は焼き方次第では、煙も上がらず、炎も上がらずに焼くことができます。
焦げるのは炭火をコントロールできず炎が上がる場合に発生しやすく、”不意に焦げた風味は苦味”になりますが、”わざと焦がす風味は香り”として楽しめます。
つまり、”焦げる”ではなく”焦がす”の技術が必要です。
この辺りの技術は “BBQ MASTER’S ACADEMY” で習得することができますので、BBQマスターを目指したい方は是非ご参加くださいませ。